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銚子電鉄に行ってきました! 12月28日

2019年も押し詰まった12月28日(土)に中学生以上は青春18きっぷを使って、小学生はSuicaやPASMO利用で銚子電鉄への旅行会を行いました。

鉄道子ども会が出来て間もない10年近く前に、一度計画されたこの銚子電鉄の旅行会ですが、当時は参加者がゼロでやむなく中止となりました。今回はそのリベンジではありませんが、ジュニアチームの子ども、保護者も含めて40名を超える団体になりました。

旅行の流れ(赤が往路、青が帰路)

今回は横浜集合と東京集合に分かれて、途中の電車の中で落ち合うという計画に。年末なので電車が混むかと心配していたのですが、行きの下り総武快速はガラガラで助かりました。お天気も最高で、風もあまりなく絶好の行楽日和です。

総武快速線乗車中
総武快速線乗車中

鉄道子ども会では、遠足や旅行会の時、車内では原則座らないのですが、今回は着席可としました。

千葉でいよいよ銚子行の各駅停車に乗り継ぎます。この電車は209系という、以前は京浜東北線を走っていた通勤電車だったのですが、その後座席の更新やトイレの設置などの改造と編成の組み換えを行い、今では千葉県のローカル電車はほとんど209系という状況になっています。

209系(元京浜東北線)銚子駅で

この電車も空いていて、着席可としました。6両編成で前後の2両だけセミクロスシートです。成田方面は、成田空港へ行くときに使うので乗ったことのある人も多いと思いますが、佐倉から先銚子まではほとんどの人が初めて乗る区間ではないでしょうか。この区間は単線区間ですが、この単線も神奈川では相模線が有名なくらいで、あまり乗る機会はないかもしれません。

総武本線銚子行(209系、一部車両はクロスシートあり)

当然と言えばそうですが、列車本数も少ないためレールもロングレールはほぼなくなります。電車がレールとレールのつなぎ目(ジョイントと言います)を通過する時の音が、いい雰囲気を出しています。

窓際に小さなテーブルがあるのがお茶目

子ども達は外を見たり、友達とおしゃべりしたりと楽しんでいます。最近子ども達の間では、臨時列車とか甲種回送などちょっとマニアックな話題が流行っているようですし、音鉄(駅の出発案内音など)の子も多いようです。本格的なカメラを持っている子もいて、その子なりに自分の興味によって活動していることが分かります。

ある子が、友達の持っていたカメラに興味津々な様子。いろいろ性能だとか、なにが鉄道の写真を撮るときに大切かとか聞いています。最後に「次はこれを(親に)お願いしよう」と言っていたので、私はいろいろな面に興味を持っていく子どもの成長と、お願いされる親御さんの(金銭的な)苦労を思って涙するのでした。

あさひ駅も通ります

途中旭駅も通り、2時間ほど乗車して銚子駅に到着します。普段これだけ長時間普通列車に乗ることはないと思いますが、みんな楽しんだ様子。

銚子駅に着きました 後ろは醤油(しょうゆ)を仕込む大きな樽(たる)です

銚子駅のホームには、醤油醸造に使う大きな樽のモニュメントがあり、その樽をバックに記念撮影(お天気が良すぎで露出がうまく合っていませんが)。銚子は言わずと知れた「漁港」と「醤油」の街。醤油工場(大きいのはヒゲタとヤマサ)は見学可能で、本当に醤油を作っているところを見学させて頂け、さらにお土産のお醤油までもらえます。年末のお休みで今回は見学できずに残念でした。

銚子電鉄
銚子電鉄の銚子駅ホームはこんな感じ

銚子駅で一度トイレ休憩し、改めて入場します。銚子電鉄のホームはJR駅のホームの先端にあるため、JRの有人改札口を「銚子電鉄に乗ります~」と言って通っていくのはちょっと面白いですね。

乗車しましょう!

ホームに着くと、ちょうど折り返しの電車が到着したところでした。ラッキーなことに、2018年6月から運行を開始した2000系の「超レトロ電車 金太郎ホーム号」が来ていました。大正ロマンをモチーフに改造した電車で、なかなか見どころがあります。

超レトロ化改造の金太郎ホーム号です!ラッキー

銚子電鉄は大正時代の1922年10月に銚子鉄道として開業しており、仲ノ町駅や外川駅は当時の駅舎のままなので、大正ロマンを題材にしたのだとか。つり革や窓の装飾、車内のポスターなどなかなか良い嗜好です。

つり革が木製に
窓にもこんな装飾が!

そんなこともあって&さすがの長旅もあってか、車内で和むメンバーが多数。中には「今日一番の見せ場で寝なくてもいじゃないか!」という子も複数。

和んでます
和んでます2
前面展望かぶりつきの図

またこの電車は前が見やすい構造で、前面にかぶりつく面々も。この電車はワンマンなので、運転手さんが運賃収受もするので、邪魔にならないよう配慮しています。

和んでます3

銚子電鉄は路線も6.4キロとそう長いわけではありませんが、起伏に富んでいて乗っていても飽きません。この線は単線で通票閉塞を行っているので、途中の笠上黒生駅ではタブレットの交換が見られます。また駅名に副駅名が付いている駅が多いのも特徴です。20分弱で終点の外川に到着します。

外川駅での記念撮影
古参の電車も保存されています

外川は昔からの漁師町で、観光地としても見どころがいっぱいなのだそうですが、私たちは記念切符などを買って、そのまま戻りの電車に乗車します。1泊してゆっくり見学できるのが一番なのですが、なかなかそうも行きません。

折り返しの電車に乗車

帰りの電車も順調で、今度は銚子の一つ手前の仲ノ町駅で下車します。この駅に銚子電鉄の本社機能、そして車両工場があるので、今日はそれを見学させていただくことになっているのです。

お昼は鯖威張る弁当デラックスです

お昼はこの人数ですので、ご厚意で電車の中をお借りして、銚子電鉄名物の「鯖威張る弁当デラックス」をいただきます。この鯖威張る弁当は、お弁当の鯖ご飯の「鯖」と、経営安定を目指しての「サバイバル」をかけてこのネーミングになったようですが、鯖ご飯もおいしく、ボリュームもあって育ちざかりの子ども達も満足だったようです。

「おいしいね~」なんて言っている余裕はないくらいガツガツ食べてます

電車の中でご飯を食べるというのは、また一種独特でいいですね。

ごはんを食べ終わった子どもから、順次車庫見学。そして駅では名物の「ぬれせんべい」や記念切符の入手などに散って行きます。車庫とは言え、すぐ隣が本線ですので、踏切にはスタッフが立って見張りをします。

私も「ぬれせんべい」を3種類(濃口、薄口、甘口)買いましたが、みんなおいしいです。家に帰って家族で食べたのですが、「固くないのが良い」という評価でした。歯が悪い人も多いですからね~。

食事の後は車庫の見学
元営団丸ノ内線の1000系
デキ3もきれいに保存されています

車庫には、元営団地下鉄丸ノ内線の2000系や、電気機関車では最小(クラス?)のデキ3など貴重な車両もあり、また犬釘やトロリー線なども間近で見ることができて勉強になります。

みんなで記念撮影

最後に記念撮影。係の方のご配慮で銚子方での撮影となりました。

銚子からは再度209系に乗車。今度は少し遠回りですが成田線経由で帰ります。利根川に沿って行くルートで、途中から3年前の夏合宿で通った鹿島線との分岐もあります。

帰りは成田線経由 こちらもわりとまったり

旅も終盤に差し掛かり、お腹もいっぱいになって寝てしまう子もちらほら。これも各駅停車の旅ならではのぜいたくなのかもしれません。途中の成田駅では時間調整で20分ほど停車します。子ども達はこの時間を使ってホームの自動販売機で飲み物を仕入れたりとおもいおもいに使います。

途中の成田での長時間停車を利用して飲み物を補充

209系との2時間にわたる旅を終え、総武快速線に乗り換え。千葉始発なので空いているはず。。。という読みは見事に外れ、短い11両編成で先行列車との間合いが空いているなど悪条件が重なり大混雑。みんな最後にへとへとになって、東京解散、横浜解散となりました。

これまで鉄道子ども会で行った日帰り旅行では、1,2位を争う乗車距離だったと思います。さらに40名超という参加にもかかわらず、保護者のみなさんの助けをいただいて無事に帰ってくることができました。楽しい旅行になったと思います。みなさんありがとうございました。

夏合宿2019 伊豆に行ってきました

2019年8月17、18日の土日で、鉄道子ども会3回目の夏合宿を伊豆で行いました。

1日目 8月17日

朝8時20分にいつもの横浜駅北通路北改札に集合。みんな時間前から来ているのには本当に感心します。定時には切符の関係(南伊豆フリー切符は、伊豆急線内以外では途中下車できない)で改札の外に出られない人を含めて全員そろい、簡単な説明をしてからホームに移ります。いつもわくわくする瞬間です。

横浜駅で東海道線を待つ
これから夏合宿に出発です

東海道線は、先にきた電車は途中の大船でこれから乗車する快速に抜かれるので、快速を待ちます。快速はさすがに混んでいて座れるような状況ではなく、立って乗って行きます。

東海道線の中
東海道線はさすが混んでいます

熱海まで1時間少しですが、子ども達はいろいろな情報交換に余念がありません。最近の話題は相鉄の相互直通がらみの話と京急の話が多いようです。スマホでYoutubeを見せ合ったりしている子もいるのですが、周りのことも考えるとちょっと微妙かも。

熱海で伊豆急のホームに移動すると、ちょうど折り返しのキンメ電車が着いたところでした。早速先頭の展望車?に向かいます。ほとんど空席でしたので前面展望を楽しめる席に乗車。伊豆急下田まで、普段なかなか味わえない景色をみんな充分に味わうことができました。

キンメ電車熱海駅で
キンメ電車に乗車します
2100系
前面展望を楽しみました
車窓風景
車窓からは青い海が

終点の伊豆急下田にはちょうどお昼に到着。定例の記者会見(記念撮影)を実施です。鉄道子ども会では、いつのころからか、記念撮影のことを記者会見と呼んでいます。ちょっと不思議ですね。

伊豆急下田駅
終点の伊豆急下田で記念撮影

伊豆急下田では、8月に新装開業した下田ロープウェイに乗ります。乗り場は下田駅からすぐ。30名の団体ですので、団体割引を使ってちょっとだけお得に乗車します。比較的大型のロープウェイですが、30人乗るとさすがにいっぱい。でも緑の中を下田の街が一望できる寝姿山山頂はあっという間です。

祖モダロープウェイ
新装の下田ロープウエィ
あっという間に寝姿山に

寝姿山山頂では、休憩所でお弁当タイム。場所が小さいので、班ごとに交代で食事をします。この辺はみんな手慣れたものです。鉄道子ども会では、班行動が基本なのですが、班長もこの頃にはだいぶ慣れて、子ども達をうまくまとめてくれるようになります。

お弁当タイム
寝姿山でのお弁当タイム

寝姿山の山頂からは、下田の街だけでなく、下田港も一望できます。江戸時代の末期にアメリカ合衆国のペリー提督らの軍艦が入港したのは有名ですが、この山の上の見張り台から当時の人たちは様子を見ていたのだそうです。

展望台からは下田港が一望
かなり暑くてみんなバテ気味

寝姿山見学も終わり、実はそのあと下田の街の散策&クイズも用意していたのですが、あまりの暑さと時間の関係で急きょ予定を変更し、そのまま下田駅に戻ります。

踊り子号に乗車します

下田駅で時間調整後、いよいよ特急「踊り子」114号に乗車です。伊豆高原までと短い時間ではありますが、会として有料特急うに乗車するのはかなり珍しいと思います。自由席は東京よりの2両。土曜夕方の上りはそれほど混んでいません。

踊り子の前で記念撮影

まもなく引退が決まっている、185系電車へ乗車となりますので、みんなで記者会見。この185系電車も会長が中学生くらいの時の新車ですから、随分と永く走っているものです。抵抗制御で扱いが比較的簡単ということも長寿に関係しているのでしょうか。

踊り子号車内

せっかくの特急電車ですが、あっという間に伊豆高原に到着です。ここから、送迎車で今晩の宿に向かいます。約10分ほどで到着しますが、なんとやどのすぐ横を伊豆急線が走っていて、林の関係で姿は見えないのですが、音はちゃんと聞こえるというロケーションでした。

宿はコテージ形式でしたので班ごとに分かれて部屋に入ります。会の仲間と一緒に寝るのも楽しいでしょうね。

夕食はBBQです!

夕食は、宿自慢の?BBQコーナーを貸し切ってのバーベキュー。お肉におさかなに焼きそばにとおいしい食材が並びます。特にキンメのホイル焼きおいしかったですね。

突然始まった「誕生日会」

食事も終盤に差し掛かったころ、突然高校生会員のK君の誕生会が始まりました。本人には知らせず、有志で準備を進めていたようですが、なかなか良い取り組み方だと思いました。会員の成長が分かってうれしかったですね。

夕食後は班ごとにお風呂に入り就寝。ほとんどの部屋ですぐに爆睡モードだったようです。

 

2日目 8月18日

普段は遅くまで寝ている子もいるのだと思いますが、みんな7時には起床して部屋の片づけ。中には5時過ぎに起きて朝風呂に入っていた子もいました。7時半ごろから朝食。さすがにお盆明けの土日でレストランは混んでいて、外のテラス席で食事をとります。

朝食はレストランのテラス席で
朝から元気!

みんな朝から元気。体調の悪そうな子もいなさそうです。部屋に戻って荷物をまとめ、9時頃より送迎車で駅に向かいます。団体なので、宿の送迎車でピストン輸送です。

ルネッサ赤沢
宿泊先で記念撮影

 

10時に伊豆高原駅に全員そろいます。ここで伊豆急行の役員の方からご挨拶をいただきます。

伊豆高原駅でのご挨拶

その後徒歩数分の伊豆高原車両区に向かいます。線路わきの建物ですので、すぐにわかります。まずは3階の会議室で会社の説明と注意事項を聞きます。本当に車両の整備などを行っているところですので、危険なところもありますので、真剣に聞いています。その後ヘルメットをかぶって見学に出発です。

まず注意事項を聞きます

まず車輪関係の見学。いろいろな車輪が予備品として保管されていて、不具合が発生しても対応できるようになっています。また車輪を丸く削るための機械を見学。フラットが出た時の修正もここで行っているそうです。

車輪を削る機械の前で

そのあと、検査中の車両の下のピット(穴)に入って、電車を下から覗きます。下から見るとやはり電動車のモーターがいかに大きいかが分かります。これだけの大きさのモーターがないと重い電車は動かないのですね。

電車を下から見ます
電車の洗浄

さらに場所を移動して、電車の洗浄を車内から見ます。一往復するのですが、最初は洗剤の入った水で洗って、帰りは真水で洗い流すのだそうです。迫力がありました。ただ、先頭部分はこの洗浄機では洗えないので、そこは手作業なんだとか。

パンタグラフを間近に見て

先日勉強会でも学んだパンタグラフがありましたので、身近で見学。さすがに実物を見ると理解が進みます。

記念撮影

検査中のザロイヤルエクスプレスの前で記念撮影

103の前でも記念撮影

先日退役した古豪103型の前でも記念撮影。この電車は伊豆急線開業時の車両だそうです。

 

103の運転台にも入りました

最後に乗務区を見学させていただき、乗務点呼の様子を見学させていただきました。将来の運転士を目指す子どもたちには、とても新鮮だったようです。

乗務点呼の様子を見学

そのあと質疑の時間。いろいろな質問が出ました。案内いただいたKさんは、先日まで乗務をされていたとのことで、基本何でもこたえていただけました。

貴重な見学をさせていただいた伊豆急の皆様にお礼を言い、帰路につきます。

帰りは各駅停車でのんびり

帰りは各駅停車で熱海、そこからも快速で横浜とトラブルもなく、少し予定より早めに到着となりました。

今回は夏の伊豆という繁忙期にも拘わらず伊豆急の皆様にはご対応いただき、本当に感謝です。関係者のみなさま本当にありがとうございました。

また子ども達には、日帰りの見学会とはまた違った成長の機会が出来たのかなと思いました。引率いただいたスタッフや保護者のみなさま、ありがとうございました。

旅行会(成田空港&芝山鉄道)

2019年5月12日(日)に神奈川1団、東京1団合同の旅行会を行いました。今回は、

  1. 横浜から成田空港へスカイアクセス線経由の直通電車に乗車
  2. 成田空港の見学
  3. 旧成田空港駅だった東成田駅見学
  4. 日本で一番短い鉄道「芝山鉄道」乗車
  5. 京成本線完乗

を狙いに出かけました。

朝8:30分に横浜駅集合。時間にはみんな集合して、余裕をもってホームに移動します。やってきたのは、京急の新1000系の1056。先頭車に乗車します。特急ですので、途中まではそこそこ混んでいましたが、東銀座を過ぎると空いてきます。横浜からスカイアクセス線経由で成田空港に行く電車は1日に3本しかなく、これはその1本でした。

押上あたりから、東京のメンバーが合流します。高砂駅からは京成本線から分岐して、いよいよスカイアクセス線へ。この区間は北総線との共用となり(かなり面倒なので詳細は省きますが)トンネルが多く、一旦運転席の遮光幕も降ろされてしまいます。

東松戸の手前から地上に出て、高架区間をすすみ、やがて千葉ニュータウン内の直線を走ります。印旛日本医大から先が、新設区間になりますが、この区間はAE車(スカイライナー)は160キロ運転、普通車も120キロ運転をしています。成田湯川駅の高速分岐器とその先の単線区間が見どころだったのですが、ちゃんとみんな見ていたかな?

途中でAE車とすれ違う

空港第二ビルで下車し、ひとまずは空港の展望デッキへ向かいます。空港の中で迷ったりしながら、なんとか4階の飛行機の見られるところに到着。1時間半ほど見学と、お昼をとることにしました。

お天気も良くて、みんなでお弁当を食べたりします。時間帯も風向きもあるのですが、思ったほど飛行機が多くなくてすこし残念。本当はA滑走路のある第1ターミナルの展望デッキ方が良かったのですが、移動時間を優先したのが災いしました。

成田空港で見学

4月にこれまでの班分けを変えて、4班編成になりましたので、まだ慣れないところもありですが、集団行動を通じて徐々に慣れていくと思っています。

空港の展望デッキで

私が用意した、簡単な飛行機のレクチャーを班ごとに行いましたが、やはり不十分でしたね。電車のことはものすごく詳しいのに、飛行機のことは「からっきし」という子も多かったです。博物館に行けばしっかり学べたのですが、これも時間との兼ね合いで今回はやめましたので、次回はしっかり時間を取ってこられるようにしたいですね。

展望デッキで

お昼も終わり、東成田駅訪問に移ります。空港第二ターミナル駅から、東成田駅は地下通路でつながっています。

東成田駅への通路はここからスタート
長い通路が続きます

もともとこの東成田駅は成田空港駅として1978年に開業しましたが、当初から空港ターミナルビルより離れていて、バスなどで連絡していました。これはターミナル乗り入れは国鉄の成田新幹線が行う予定があり、それに支障する位置まで駅を延伸できなかったためのようです。そのため、駅自体は今は使われていませんが2面4線の立派なもので、コンコースも広く昔はレストランなどもあったようです。

壁の向こうにお店の名残が
大量の旅客に対応できる施設が用意されていた

その後国鉄による成田新幹線計画はなくなり、もともと新幹線用に作っていた線路をJRと京成でそれぞれ単線で使用(軌間が異なる為)することで成田空港駅を1991年に設置したことから、この駅は東成田駅と名前を変えて現在に至っているのです。

東成田駅はこのため、空港内にポツンと残された形になり、先ほどの通路で空港第二ビルに行くか、空港内の循環バスに乗る以外一般人には動きようのない駅となっています。海芝浦にちょっと似てますね。

貨物地区に出る出入口、バスに乗る人か、空港勤務者しか通れません

駅舎の前で撮影

東成田から芝山鉄道の芝山千代田駅に向かうのですが、実はここで難問が。芝山鉄道は京成の東成田線と直通していますが、IC乗車券に非対応のため、東成田から券売機で切符を買わなくてはいけません。これは盲点だったのですが、鉄道好きのメンバ―でも券売機で切符を買ったことがない!という子が多くてびっくり。そして、この区間(2.2キロ)こそが「日本で一番短い鉄道」に該当するわけです。

正確に言えば、芝山鉄道は「第一種鉄道事業者としては日本一保有する路線が短い鉄道事業者」ということになるのですが、紆余曲折をへて2002年に開業、現在に至っています。私も初めて乗りました。

乗車中
地上に出ると周りは飛行機の整備工場が(この写真では見えないけど)
世界最大の旅客機?A380もいました

あっという間に終点芝山千代田駅に到着。

当初は折り返しの電車に乗る計画を立てていたのですが、十数分の折り返しで40名近くが切符を購入して、、、なんて考えると大変そうでしたので、1本見送って折り返すことにしました。

駅前で記念撮影
芝山町は埴輪の街なんだそうです
駅構内を探索
駅構内を探索 スタンプがありました!

駅の周りには何もないのですが、子ども達はいろいろ見てみたりして楽しんでいます。この辺りのバイタリティ―はさすがです。

切符を成田空港まで購入し、一旦京成成田まで向かいます。そこからもう一度成田空港に戻って、そこから空港特急で京成上野に向かいます。

芝山千代田発、京成成田行き
京成成田で乗り換え ちゃんと整列乗車

成田空港駅で気が付いたのですが、スカイアクセス線経由と京成本線経由では改札内にゲートがあって、ちゃんと区別しているのですね。まったく知りませんでしたが、第二ビルも同じようでした。ちゃんと線別に電車が止まるホームが異なっているので、料金の収受ミスがないということでしょう。

帰りは比較的空いていたこともあって、爆睡している人も多かったですね。青砥や日暮里で分かれる人もちらほら。

なんだこのパンダ

京成上野まで京成本線を乗りとおし、完乗としました。その後JR上野駅に移動して東海道線経由で横浜へ。無事解散となりました。

今回の旅行は比較的距離もある一方で、内容を少し詰め込み過ぎた感もありで、ゆっくりできなかった面もありました。次回以降の注意点をしたいと思います。

次回の活動は神奈川1団、東京1団は6月9日の交歓会(東戸塚)になります。

 

行ってきました! 新京成見学&流電乗車

2018年10月20日(日)、新京成電鉄の開催する一般公開(新京成サンクスフェスタ2018)に合わせて、新京成電鉄の完乗と、すこし足を伸ばして流電(流山電鉄)にも乗ろうという見学会&旅行会を実施しました。

当日はお天気に恵まれて絶好の旅行日より。暑くなく寒くなく一年でもいい季節です。横浜駅のスタートがやや遅れましたが、京急のホームに急ぎます。特急の高砂行きに乗車しますが、結構混んでいます。土曜の朝ですから、いつもの日曜と違い人の動きも多いのです。

結局席がガラガラに空いたのは都営線の浅草を過ぎてからでした。班ごとに乗車していて、見知った友達同士でいろいろ楽しそう。電車の話だけではなさそうです。

京成線内にはいってやっと空きました

地下鉄線内は景色も見えないのですが、押上から先は地上区間。京成電鉄に乗車するのが初めてと言う子も多く、みんなきょろきょろ。高砂駅は上下2層の高架駅で、ここで京成の各停に乗り換えます。

青砥で成田アクセス線と分かれると、ほぼ地上区間を走ります。落ち着いた感じの住宅街が広がりますが、踏切も多くて運転士さんは大変だと思います。

各停の終点津田沼まで乗車します。ここでいよいよ新京成に乗り換えです。

新京成(別日撮影)

始発でしたので、先頭車に乗車。当然多くの子どもが運転席の真後ろに。みんな初めての路線なので興味津々なのです。

先頭車ですから、こうなりますね~

津田沼を出ると、次の新津田沼までは新京成線唯一の単線区間に入ります。相当急なカーブを抜けて新津田沼へ。JRの津田沼へはこの新津田沼で乗り換えるほうが便利で大型の商業施設もあるためここから結構乗ってきます。

新津田沼からは複線で、各駅停車ながら快調に走ります。周辺も住宅街が途切れません。途中成田スカイアクセスをくぐったりして、約30分ほどで車両基地のあるくぬぎ山駅に到着です。

くぬぎ山駅でパチリ

みんなで記念撮影をしてから下車。この駅前に新京成電鉄の本社があります。車両基地もあり、この会社の中枢を担っているエリアということになります。

駅を降りると、係の方が道に立っていてくれて、車両基地へ誘導してくれます。住宅街を通るので、邪魔にならないように1列で班ごとに進みます。

車両基地まで1列で歩きます

15分くらい歩くと、いよいよ車両基地の正門に付きます。ここでエリアマップをもらって入場します。ここからは大人数での見学は厳しいため、班ごとに見学をすることにします。

パスモくん?に捕まる団員?

車両の展示を始め、いろいろなイベントが開かれていて大盛況。第一会場と物販中心の第二会場があり、私が同行した2班は、その間を行ったり来たりしてちょっと疲れました。この時期にしては気温も高かったかな。

踏切脱出体験 押すと出られるんですね
新京成の車両揃い踏み キレイな電車が多いですね
台車の形がかわっています
一緒に回った2班のメンバー

見学時間はあっという間。2時間ほどで見学とお弁当を各班で食べて再集合。車両基地前でみんなで記念撮影。

くぬぎ山でぱちり

くぬぎ山駅まで戻り、再度乗車して終点の松戸を目指します。新京成線は優等列車がないため、すべての電車が各駅に止まります。松戸まで7駅ほどで新京成線完乗となりました。

松戸で新京成線完乗の記念撮影

ここからJRの常磐緩行線に乗車し、2駅先馬橋駅へ移動。ここから流電(流山電鉄)に乗車します。

流電はJRと跨線橋で結ばれていますが、改札は全く別ですし、自動改札機もありません。スイカやPASMOなどのIC乗車券が使えない私鉄です。※先日まで湘南モノレールもIC乗車券が使えませんでしたが、利用できるようになりました。

みんな終点の流山駅まで子供100円、大人200円のきっぷを購入します。

流鉄 馬橋駅
馬橋駅での集合写真

車両は元西武鉄道の新101系を改番した5000系(クハ+クモハ)ですべて塗装と愛称は異なるのが特徴。この線はワンマン運転ですが、駅に駅員さんがいるため、運転士さんは運転のほかはドア扱いをしますが、料金収受はありません。

車内はこんな感じ

馬橋の次の幸谷駅は、JR新松戸駅のすぐ横であり、それなりの乗車があります。武蔵野線に乗り換えるならこの駅が便利だからのようです。

住宅地を抜け、途中の小金城趾駅で対向列車と交換し、終点流山駅に向かいます。子どもたちはまたまた先頭車の運転席後ろで前方を見ている子が多かったですね。

流山駅で

終点の流山に到着して、流鉄流山線完乗となりました。

この日は街のお祭り「灯籠まつり」で、16時からお祭りが始まるということでしたが、時間の関係で帰らなければならず、少し惜しい気がしました。流山は、私も初めて知ったのですが、日本一の「みりん」の産地なんだそうです。よく「万上本みりん」というみりんが売っていますが、流山産です。街には万上通りという道もあるとか。

流山は「みりん」の産地!

お祭りで準備中だったのですが、ご厚意で白玉だんごにみりんベースのタレを掛けたお団子をごちそうになりました。なかなか美味しくて、みりんの味を再発見しました。

駅前に地元のボランティアガイドの方が多くいらしたので、少しお話を聞きましたが、醤油と味醂づくりの大きな差は「もち米」を入れるかどうかなのだそうです。ちなみにみりんにはもち米が入ります。

流電の路線図
運転席付近

帰りは定刻の電車に乗車して帰りますが、千代田線は相当混んでいて、立つのも一苦労。乗り換えた副都心線&東急東横線もそれなりに混んでいて、ちょっと子どもたちもつらそうでしたね。

ほぼ予定通りに横浜に到着。解散となりました。

今回は、実は割と引率が楽な旅行になりました。というのも班行動がみんな板についてきて、班長さんやサブリーダーが各班をうまくまとめてくれるようになったからのようです。

見学のときなどは班によって見るところにムラがあったようですが、それもまた班行動ならではと思ってもらえているようで、やっと形になってきたなあと実感している次第です。

次回は11月のボランティア活動になります。

夏合宿2018 群馬の旅(後編)

合宿2日目の8月5日(日)

昨日はあれだけ遊んだのに、早朝の吾妻線の列車を見に起きだした子もいて、その鉄道への愛情には頭が下がります。

もうすぐ電車来るよ!

みんなで朝食後は部屋の整理。そして荷物をまとめてロビーに集まります。

朝ごはん

ここで昨日から気になっていた、班ごとの人数確認と隊列の作り方を宿の広場を借りて訓練。あまりがちがちにするつもりはないのですが、ある程度人数があると一定の規律も必要なのかもしれません。

宿の前で記念撮影

宿を後にし、予定通りの電車に乗車します。午前中吾妻線の終点大前まで行く電車はこれが最後ということもあり、また青春18きっぷの期間ということもあって、車内には鉄道ファンの人もかなり乗っています。ここで先頭車に乗ったのですが、トイレがあるのは一番後ろの車両。子ども達が変わるがわるトイレに行くので、車両間のドアを開けたり閉めたりがはなはだしく。次回からはトイレのある車両かそばの車両に乗るべきだと強く思いました。

吾妻線車内

吾妻線は途中でダム(一時期話題になった八ッ場ダム)建設の関係で、途中から線路がつけ変わったところがあります。この部分は橋、トンネルとも高規格で乗り心地も素晴らしいのです。上級生は知っている子もいるので、下の子に教えてあげていたりしています。違う年代が一緒に活動するメリットですね。

終点の大前で折り返します。30年以上前に来た時とそんなに風景は変わらないはずなのですが、自分の記憶とは随分違っていました。帰りは同じ線を引き返します。山の中の路線なのでさぞかし絶景が!と思いがちですが、比較的谷の幅が広いためか、のんびりした風景が多い線に感じます。

大前駅での記念撮影

宿泊していた宿の横を再度かすめて、新前橋へ。そしてここでもきわどい乗り換えで両毛線に乗り換え。さらに前橋駅では、4分で駅前のバスに乗り換えるという離れ業をやってのけます。
このあたりは団体行動になれてきた子ども達&朝の訓練のたまものといえましょう。

前橋駅から中央前橋までのシャトルバスはアンティークな外装のバス。乗車時間が短くてちょっと残念でした。終点の中央前橋で記念撮影をしようとすると、バスの運転士さんがわざわ降りてきて、シャッターを押してくれました。ありがたいことです。

かっこいいシャトルバス

中央前橋からは、今日のメインイベント、上毛電鉄線に乗車します。駅は3線式の立派なターミナルで、駅舎もガラス張りのモダンなもの。ちなみにこの横に上毛電鉄の本社が入っているそうです。

中央前橋駅で バスの運転士の方に撮っていただいた一枚

車両は旧京王井の頭線の3000系を2両編成に改造したもので700系となっています。全部で8編成在籍しているようです。私達の乗車した編成で車内は俳句の短冊がたくさん下がっていました。

上毛電鉄

驚いたのが、自転車が普通に電車内に持ち込まれていること。サイクリングの輪行などではなく、普通のママチャリがそのまま電車の中に存在しています。でも考えたらこれは便利でしょうね。家から駅まで自転車で行って、電車に一緒に自転車を載せて、着いたら例えば学校まで自転車で行けば、駅前駐輪場はいらないわけで。ヨーロッパでもドイツなんかはやはり自転車が乗っていたのを思い出しました。

上毛電鉄車内で

大胡には30分弱で到着。駅そばの大胡車庫に移動します。もうお昼の1時を回っているので、あらかじめ用意をお願いしていた「車庫弁」を冷房を入れていただいた車内でいただきます。これがまたおいしいお弁当で驚きます。この車庫でのイベントがないと作ってくれないようなので、貴重ですね。

電車の中でお弁当

お昼の後はいよいよ車庫内の見学です。係の人の引率で車庫の中を見て回ります。水族館の中のような電車や、東急で昔使っていた電気機関車、さらにはこの上毛電鉄が昭和3年の開業時に新製したデハ101などを見ていきます。特にデハ101の車内は昔の状態に近いようにリニューアルされていて、本当に趣があります。

水族館電車
上毛電鉄101

電車の下回りも、いわゆる台車にブレーキシリンダーが着いているのではなく、車体にブレーキシリンダーがあり、それをロッドで伝える形態になっているなど、昭和初期の電車で一般的だった仕組みが分かって勉強になります。

車庫の中を見学

車庫内では他の団体が電車の運転体験をしていました。子ども達はさすがにやりたかったようですが、お金もかかるのでまた次の機会にしましょうとなんとかなだめた次第。上毛電鉄はいろいろな工夫で楽しませてくれています。

楽しい時間はあっという間で、時間に合わせて車庫を後にします。ここで痛恨のミス。
集合写真を撮ろうと言っていたのに、完全に忘れてました。ですので、大胡車庫での集合写真はありません。(>_<)

再び上毛電鉄に乗車し、終点の西桐生を目指します。途中赤城では東武線に接続。特急の「りょうもう」号とも少し並走しました。この辺りは東武鉄道のエリア。上毛電鉄も東武鉄道の系列会社でしたね。

西桐生駅で

西桐生に到着。レトロな駅舎を見る間もなく駅前の道をJR桐生駅に向かいます。ちょうど桐生はお祭りの日で、前日にはブルーインパルスも飛来したと新聞にでていましたから、かなり大規模なお祭りのようです。ちょっとお祭りに寄りたい気持ちを抑えて桐生駅に到着。ここで1名離脱し、一行は両毛線を小山へ。両毛線は関東平野の縁を縫うように走るため、左側には山が、右側は平地という景色が続きます。東武佐野線、東武日光線と絡みながら、小山に向かいます。

211系で小山に向かいます

小山駅での乗り換え時間が短いため、少し焦りましたがなんとか乗車。この小山でも数人離脱します。さすがの子ども達も疲れて寝るかと思いきや、みんなでクイズをやったり、鉄話に花を咲かせたりと元気です。終点の横浜までこれ一本というのはさすがに楽でした。

あまり疲れていない子ども達

2時間ほど乗車し無事に横浜に到着。迎えに来ていた保護者の方に子ども達を引き渡し終了となりました。今回は暑い中の活動でしたが、大きなトラブルなく終了できました。これはスタッフに加え、保護者の方のサポートがあってのことでした。みなさまありがとうございました。

今年宿探しで大変苦労しましたので、来年こそは早めに合宿の準備をしたいと思います。と、去年も言っていたな~と今思いだしました。  おわり

夏合宿2018 群馬の旅(前編)

2018年8月4日、鉄道子ども会2回目の夏合宿がスタートしました。前回は茨城の私鉄をめぐる旅でしたが、今回は北関東、群馬県の鉄道をめぐります。

集合場所は今回も横浜駅北通路北改札前です。今回は保護者を含めて30名もの団体になるのですが、東京の北部からの参加メンバーは途中の大宮あたりから合流してくるため、横浜ではそこまで膨れません。

時間通りに全員がそろい、各班ごとに班長が人数確認をします。最初はぎこちなかった班行動も徐々に板についてきました。これだけの人数になると、どうしても小集団での動きが必要になってくる場合があります。今は3班ですが、来年度は考えないといけないかもしれませんね。

集合場所で、毎回の旅行会で「旅のしおり」が配布されました。これは保護者の方がボランティアで作っていただいているもので、いつも素晴らしい出来栄えに驚きます。このしおりの一番のミソは、「乗換時間」が書いてあることです。「次の駅で4分で乗換」などが一発で分かり、私も旅行中何度も使っています。

さて、見送りの保護者への挨拶もほどほどに、改札を抜けて東海道線のホームに向かいます。土曜日ですが、結構乗車する人も多く、また今回乗る電車が高崎線内で快速になることもあり、長距離利用の旅客が多いのです。15両編成ですが、前の5両は籠原で切り離しになるため、前から7両目に班ごとに乗車位置を分散させて乗車します。

途中川崎からも乗車が多く、車内がなんとか空きだしたのは大宮あたりから。ほとんどの子どもは高崎まで立ち通しでしたが、最近は体力のある子も多くて根を上げるこはほとんどいませんでした。一部冷房のせいでお腹が痛くなった子と、寝不足で不調の子がでて、少し心配しましたがなんとか持ち直しました。楽しい行事で興奮&朝が早いので、特に午前中不調になる子がたまにいます。

立ってます

途中の東京、大宮などから途中集合の子が集まってきます。高崎で最終の合流を受けて乗り換え、ここからは信越線になります。

信越線は長野新幹線開業前までは、長野に行くにはこの信越線が大動脈で、L特急「あさま」が上野ー長野間などを一日最大20往復もしていて、これから乗る高崎、横川間は大変な賑わいでした。平成9年の長野新幹線開業に合わせて、急こう配区間の横川ー軽井沢間は廃止され、高崎から横川までの区間は盲腸線になったのです。

信越線は着席で

信越線は、211系。東海道線で活躍していたこの車両が、今では信越線、両毛線、上越線、吾妻線などの高崎近辺のローカル運用で活躍しています。編成はおおむね、クモハ+モハ+サハ+クハの4両です。さすがに電車は空いていて、子ども会のメンバーも着席します。混んでいる車両では原則座らないのが鉄道子ども会の流儀ですが、空いているところは各自自由です。

盲腸線となったとはいえ、線路は複線を維持しており、架線もしっかりしたものです。もう一度「あさま」を走らせようといったら、横川まではなんの問題もなくできそうです。途中からあまり横浜では見られないような山があらわれてくると間もなく終点の横川です。

横川駅での記念撮影

お目当ての「碓氷峠鉄道文化村」は、横川駅から歩いてすぐにあります。関東の駅100選に選ばれた駅舎の前で記念撮影をしてから移動。横川は標高380mくらいなので、少しは下界よりは涼しいはずなのですが、あまり感じられず。

関東の駅100選の横川駅前で

入園してすぐに、EF63がお出迎え。この機関車こそこの横川ー軽井沢間の急こう配区間のためのもので、189系などと協調運転することでこの碓氷峠をこえていたのです。
その右には昔のラックレールが展示してあります。

いったん上の広場にある休憩所を兼ねたお座敷列車に移動します。荷物を置いて、各班ごとに見学開始です。しかしここで二つの誤算が。

一つは、このお座敷車両ですが、当初の案内では冷房が効いているという話だったのですが、その冷房が一部故障していて、あまり温度が外と変わらない感じでまいったな~。二つ目は、これも下見の時に「峠の釜めし」の売店が園内にあり、夏休みはやっているということだったのが、なんと休業していて、峠の釜めしが買えない!なかなか世の中うまくは行きません。ちと下見が甘かったかな。反省反省。

見学中!暑いです

まず、保護者の方と手配して、周辺で峠の釜めしが買えないか確認。本社に電話すると、人員不足で鉄道文化村の売店は営業していないとのこと。近くのドライブインならあるかもということで、そちらに電話するも、これまた人手不足で配達できないということに。

最後に、先ほどの横川駅そばのお店に伺って、直接交渉することに。駅すぐ前(駅の改札横ではなく、駅前に釜めしを食べられるお店がある)のお店で交渉すると、30個大丈夫という。しかし車では持っていけないので、台車を貸してもらうことに。ここのお店のおばさんが神様に見えました~。台車でガタゴトと峠の釜めしを鉄道文化村まで運びました。入口の改札にいた係の人も苦笑しながら見ていました。

お弁当の手配がついた頃には、お昼の時間に。なかなかいいところがないので、お座敷列車の中で食事をすることに。でもみんなでお座敷列車で釜めしなんて風情がありますよね。そしてなんといっても、この釜めし、おいしいんです。みんな楽しそうに完食。容器を持って帰る子もいる一方で、どうするか迷っている子も。

お弁当タイム!
お弁当タイム2

食事後に、再度班ごとに分かれて見学します。鉄道資料館の中は、昔のアプト式からの歴史が紐解かれていて、なかなか見ごたえがあります。昔は逆走なんかもあったようです。厳しい難所だったのですね。蒸気式のアプトから、電気式のアプト、そして蜜着式へと進化していく様は、技術史的にも面白いですね。30年以上前に箱根登山鉄道の入生田車庫に伺ったときも、急こう配線区の苦労は普通のものではないと知りましたが、輸送力の大きな碓氷峠ではさらに厳しいこともあるのではないかと思いました。

子供たちは、広場にある手押しトロッコに夢中。班ごとにトロッコを漕いでタイムを競ったりしています。あんまりやると手が痛くなるよ~。

手押しトロッコ

時間通りに碓氷峠鉄道文化村を後にし、ふたたび横川から211系に。高崎で乗り換えで、一人都合で日帰りの子と別れます。

EF63の前で記念撮影

新前橋で再度乗り換えて吾妻線の電車(これも211系)。上越線を渋川へ北上します。途中でSLと行き違います。子ども達の中には生のSLを初めて見る子もいて興奮気味。

SLとすれ違います

渋川からは吾妻線に入り、20分ほどで今日の宿のある小野上温泉駅へ。無人駅で下車し、すぐそばの宿に入ります。ここで最後の合流があり、全員がそろいました。

今回お世話になるSUN小野上は、温泉ホテルできれいで比較的新しく、あとで個人的にも行ってみたいところです。まわりはもちろん風情のある風景が広がっているのですが、ここの売り(勝手に)はなんといっても、ホテルのすぐ横を吾妻線が通っていること。子ども達は後何分で上り電車が来るとかいって、時間になると見学に行っていました。大浴場からも列車が来るのが見えて、なかなか鉄好みの宿ではあります。

小野上温泉駅で

部屋割りをして、少し落ち着いたら夕食です。しっかりしたホテルですので、料理もしっかりしています。子どもによっては初めて食べる食材も多かったかな。みんなお腹いっぱいです。食事の後は、部屋ごとに順番にお風呂に。私も子ども達と一緒に入りましたが、お湯がつるつるで、美人の湯というのだそうです。

楽しい夕ご飯
夕ご飯です

10時に消灯というスケジュールでいたのですが、驚いたことに10時すぎにはほとんどの部屋で寝息が。鉄道文化村の手押しトロッコの威力でしょうか?

大人たちもビール1本くらいで、11時半過ぎには寝ることになりましたが、やはり保護者同士の情報交換は大切です。こんな時間が取れるのも宿泊の良さですね。(後半に続く)

小旅行会「久留里線に乗りに行こう」終了しました!②

小旅行会は、木更津駅からいよいよ今回の旅行の目的である久留里線に入っていきます。

千葉県内のJRで電化されていないのはこの久留里線だけ、私鉄では五井駅から内陸に入っていく小湊鉄道線が同じく非電化ですが、貴重な存在です。もう一つ、久留里線は単線でもあります。

木更津駅でのキハE130

大都市の鉄道線は、上りと下りの線路がそれぞれ別にあるのですが、ローカル線になると線路が一つというところが少なくありません。短い路線であればあまり問題はないのですが、長い線ではどうしても途中で上りの列車と下りの列車が行き違いをしなければなりません。この行き違いの出来る駅を「交換駅」と呼びますが、久留里線ではどこかな?とみんなには質問を投げておきました。

編成は1両で、ワンマン運転です。運転席の後ろにバスの運賃箱のようなものがあり、降りる人はここで乗務員に定期を見せたり、きっぷやお金を入れたりして清算する仕組みです。

木更津駅を出て少しの間だけ内房線と並走しますが、やがて右方向にカーブして離れていきます。

単線区間!架線がないので空が広く見える

すぐに単線、非電化区間に。電化されている線では当たり前の架線も架線柱もなく、景色がすっきりと見えます。

子ども達は車両の先端で前面展望を見たり、座席から周りを見たり、エンジンの音を聞いていたりとそれぞれおもいおもいのことをしています。この辺りは一糸乱れぬ統制を是としない当会ならではなのかもしれません。

やがて横田駅に到着。この駅が交換駅で、前から対向列車がやってきました。

対向列車と横田駅で交換

横田駅から久留里駅までは田んぼや畑の中を走っていきます。途中小櫃川を渡ったりといくつかポイントもありますが、久留里駅には木更津駅からほぼ50分で到着しました。

久留里駅での記念撮影

久留里駅構内で写真を撮っていると、駅員の方に「渡り通路の上なら入って写真を撮ってもいいよ」と言っていただき、気動車を間近で撮影することができました。お心遣いがうれしかったですね。

間近でみる列車

駅の外に出ると、なかなか趣のある駅舎です。旅行会前の下見の時は寒くて大変だったのに、今日は日差しもあっていい日よりです。駅前のE130の看板の前でも撮影している人がいました。

久留里駅前で

久留里は湧き水のきれいなところで、水がおいしくて有名です。駅前にも水を汲む場所が用意してあり、ポリタンクを持った人が多く車で訪れていました。この水でコーヒーやお茶を入れるとまろやかでおいしいのだとか。

お昼になりましたので、駅前すぐにある、久留里観光交流センター前のベンチで昼食にします。

お昼だよ

 

みんな食事が終わると、街散策です。今回は久留里の街で2箇所スポットを選んでクイズ形式にしてみました。3班それぞれ地図を片手に街歩きです。

どっちだろう?
あった!

思った以上に子どもたちが乗ってくれて、企画した側は一安心。あっちだのこっちだのとワイワイしながら歩きます。カエルの置物に乗っている子ガエルの数などを確認しながら、3班とも無事ゴール。もうちょっと難しくしてもよかったかな~。

駅に戻ると、上総亀山行に乗車の時間が近づいていました。駅のスタンプをお借りして押したりしていると、汽車が入ってきました。

駅のスタンプを押します

今度は2両編成です。実はこの列車が悩ましく、朝の上総亀山行の後は、この13時50分発まで列車がないのです。木更津~久留里間はほぼ1時間間隔で列車があるのに!

その待望の列車で終点の上総亀山を目指します。久留里までの平坦な景色からは様子が変わり、山間の区間を川を見ながら登っていきます。途中二つのトンネルを抜けると終点上総亀山です。

上総亀山で記念撮影

これで、久留里線全線32.2キロを完乗となりました。上総亀山駅付近には観光名所はなく、少し離れたところに亀山湖(人工湖)と亀山温泉があるのですが、今回はあまり観光のお客さんらしき人は見かけませんでした。

帰りは、さすがに子どもたちも疲れていて、やや口数も少なくなります。木更津で乗り換えれば、帰りは乗り換えなしで横浜まで戻れるのは、内房線から横須賀線に直通運転しているメリットでしょう。帰りの電車は長かったですが、みんな無事に帰着しました。

今回の旅行会は、保護者の方に多く付き添っていただき、本当に助かりました。保護者の方の中には、「この旅行に行かないと一一生久留里線には乗らないと思うので!」と参加いただいた方もいらっしゃいました。鉄道子ども会としての今年度最後の旅行会になりましたが、4月以降もいろいろなところに行ってみたいと考えています。