夏合宿2018 群馬の旅(前編)

2018年8月4日、鉄道子ども会2回目の夏合宿がスタートしました。前回は茨城の私鉄をめぐる旅でしたが、今回は北関東、群馬県の鉄道をめぐります。

集合場所は今回も横浜駅北通路北改札前です。今回は保護者を含めて30名もの団体になるのですが、東京の北部からの参加メンバーは途中の大宮あたりから合流してくるため、横浜ではそこまで膨れません。

時間通りに全員がそろい、各班ごとに班長が人数確認をします。最初はぎこちなかった班行動も徐々に板についてきました。これだけの人数になると、どうしても小集団での動きが必要になってくる場合があります。今は3班ですが、来年度は考えないといけないかもしれませんね。

集合場所で、毎回の旅行会で「旅のしおり」が配布されました。これは保護者の方がボランティアで作っていただいているもので、いつも素晴らしい出来栄えに驚きます。このしおりの一番のミソは、「乗換時間」が書いてあることです。「次の駅で4分で乗換」などが一発で分かり、私も旅行中何度も使っています。

さて、見送りの保護者への挨拶もほどほどに、改札を抜けて東海道線のホームに向かいます。土曜日ですが、結構乗車する人も多く、また今回乗る電車が高崎線内で快速になることもあり、長距離利用の旅客が多いのです。15両編成ですが、前の5両は籠原で切り離しになるため、前から7両目に班ごとに乗車位置を分散させて乗車します。

途中川崎からも乗車が多く、車内がなんとか空きだしたのは大宮あたりから。ほとんどの子どもは高崎まで立ち通しでしたが、最近は体力のある子も多くて根を上げるこはほとんどいませんでした。一部冷房のせいでお腹が痛くなった子と、寝不足で不調の子がでて、少し心配しましたがなんとか持ち直しました。楽しい行事で興奮&朝が早いので、特に午前中不調になる子がたまにいます。

立ってます

途中の東京、大宮などから途中集合の子が集まってきます。高崎で最終の合流を受けて乗り換え、ここからは信越線になります。

信越線は長野新幹線開業前までは、長野に行くにはこの信越線が大動脈で、L特急「あさま」が上野ー長野間などを一日最大20往復もしていて、これから乗る高崎、横川間は大変な賑わいでした。平成9年の長野新幹線開業に合わせて、急こう配区間の横川ー軽井沢間は廃止され、高崎から横川までの区間は盲腸線になったのです。

信越線は着席で

信越線は、211系。東海道線で活躍していたこの車両が、今では信越線、両毛線、上越線、吾妻線などの高崎近辺のローカル運用で活躍しています。編成はおおむね、クモハ+モハ+サハ+クハの4両です。さすがに電車は空いていて、子ども会のメンバーも着席します。混んでいる車両では原則座らないのが鉄道子ども会の流儀ですが、空いているところは各自自由です。

盲腸線となったとはいえ、線路は複線を維持しており、架線もしっかりしたものです。もう一度「あさま」を走らせようといったら、横川まではなんの問題もなくできそうです。途中からあまり横浜では見られないような山があらわれてくると間もなく終点の横川です。

横川駅での記念撮影

お目当ての「碓氷峠鉄道文化村」は、横川駅から歩いてすぐにあります。関東の駅100選に選ばれた駅舎の前で記念撮影をしてから移動。横川は標高380mくらいなので、少しは下界よりは涼しいはずなのですが、あまり感じられず。

関東の駅100選の横川駅前で

入園してすぐに、EF63がお出迎え。この機関車こそこの横川ー軽井沢間の急こう配区間のためのもので、189系などと協調運転することでこの碓氷峠をこえていたのです。
その右には昔のラックレールが展示してあります。

いったん上の広場にある休憩所を兼ねたお座敷列車に移動します。荷物を置いて、各班ごとに見学開始です。しかしここで二つの誤算が。

一つは、このお座敷車両ですが、当初の案内では冷房が効いているという話だったのですが、その冷房が一部故障していて、あまり温度が外と変わらない感じでまいったな~。二つ目は、これも下見の時に「峠の釜めし」の売店が園内にあり、夏休みはやっているということだったのが、なんと休業していて、峠の釜めしが買えない!なかなか世の中うまくは行きません。ちと下見が甘かったかな。反省反省。

見学中!暑いです

まず、保護者の方と手配して、周辺で峠の釜めしが買えないか確認。本社に電話すると、人員不足で鉄道文化村の売店は営業していないとのこと。近くのドライブインならあるかもということで、そちらに電話するも、これまた人手不足で配達できないということに。

最後に、先ほどの横川駅そばのお店に伺って、直接交渉することに。駅すぐ前(駅の改札横ではなく、駅前に釜めしを食べられるお店がある)のお店で交渉すると、30個大丈夫という。しかし車では持っていけないので、台車を貸してもらうことに。ここのお店のおばさんが神様に見えました~。台車でガタゴトと峠の釜めしを鉄道文化村まで運びました。入口の改札にいた係の人も苦笑しながら見ていました。

お弁当の手配がついた頃には、お昼の時間に。なかなかいいところがないので、お座敷列車の中で食事をすることに。でもみんなでお座敷列車で釜めしなんて風情がありますよね。そしてなんといっても、この釜めし、おいしいんです。みんな楽しそうに完食。容器を持って帰る子もいる一方で、どうするか迷っている子も。

お弁当タイム!
お弁当タイム2

食事後に、再度班ごとに分かれて見学します。鉄道資料館の中は、昔のアプト式からの歴史が紐解かれていて、なかなか見ごたえがあります。昔は逆走なんかもあったようです。厳しい難所だったのですね。蒸気式のアプトから、電気式のアプト、そして蜜着式へと進化していく様は、技術史的にも面白いですね。30年以上前に箱根登山鉄道の入生田車庫に伺ったときも、急こう配線区の苦労は普通のものではないと知りましたが、輸送力の大きな碓氷峠ではさらに厳しいこともあるのではないかと思いました。

子供たちは、広場にある手押しトロッコに夢中。班ごとにトロッコを漕いでタイムを競ったりしています。あんまりやると手が痛くなるよ~。

手押しトロッコ

時間通りに碓氷峠鉄道文化村を後にし、ふたたび横川から211系に。高崎で乗り換えで、一人都合で日帰りの子と別れます。

EF63の前で記念撮影

新前橋で再度乗り換えて吾妻線の電車(これも211系)。上越線を渋川へ北上します。途中でSLと行き違います。子ども達の中には生のSLを初めて見る子もいて興奮気味。

SLとすれ違います

渋川からは吾妻線に入り、20分ほどで今日の宿のある小野上温泉駅へ。無人駅で下車し、すぐそばの宿に入ります。ここで最後の合流があり、全員がそろいました。

今回お世話になるSUN小野上は、温泉ホテルできれいで比較的新しく、あとで個人的にも行ってみたいところです。まわりはもちろん風情のある風景が広がっているのですが、ここの売り(勝手に)はなんといっても、ホテルのすぐ横を吾妻線が通っていること。子ども達は後何分で上り電車が来るとかいって、時間になると見学に行っていました。大浴場からも列車が来るのが見えて、なかなか鉄好みの宿ではあります。

小野上温泉駅で

部屋割りをして、少し落ち着いたら夕食です。しっかりしたホテルですので、料理もしっかりしています。子どもによっては初めて食べる食材も多かったかな。みんなお腹いっぱいです。食事の後は、部屋ごとに順番にお風呂に。私も子ども達と一緒に入りましたが、お湯がつるつるで、美人の湯というのだそうです。

楽しい夕ご飯
夕ご飯です

10時に消灯というスケジュールでいたのですが、驚いたことに10時すぎにはほとんどの部屋で寝息が。鉄道文化村の手押しトロッコの威力でしょうか?

大人たちもビール1本くらいで、11時半過ぎには寝ることになりましたが、やはり保護者同士の情報交換は大切です。こんな時間が取れるのも宿泊の良さですね。(後半に続く)