小旅行会は、木更津駅からいよいよ今回の旅行の目的である久留里線に入っていきます。
千葉県内のJRで電化されていないのはこの久留里線だけ、私鉄では五井駅から内陸に入っていく小湊鉄道線が同じく非電化ですが、貴重な存在です。もう一つ、久留里線は単線でもあります。
大都市の鉄道線は、上りと下りの線路がそれぞれ別にあるのですが、ローカル線になると線路が一つというところが少なくありません。短い路線であればあまり問題はないのですが、長い線ではどうしても途中で上りの列車と下りの列車が行き違いをしなければなりません。この行き違いの出来る駅を「交換駅」と呼びますが、久留里線ではどこかな?とみんなには質問を投げておきました。
編成は1両で、ワンマン運転です。運転席の後ろにバスの運賃箱のようなものがあり、降りる人はここで乗務員に定期を見せたり、きっぷやお金を入れたりして清算する仕組みです。
木更津駅を出て少しの間だけ内房線と並走しますが、やがて右方向にカーブして離れていきます。
すぐに単線、非電化区間に。電化されている線では当たり前の架線も架線柱もなく、景色がすっきりと見えます。
子ども達は車両の先端で前面展望を見たり、座席から周りを見たり、エンジンの音を聞いていたりとそれぞれおもいおもいのことをしています。この辺りは一糸乱れぬ統制を是としない当会ならではなのかもしれません。
やがて横田駅に到着。この駅が交換駅で、前から対向列車がやってきました。
横田駅から久留里駅までは田んぼや畑の中を走っていきます。途中小櫃川を渡ったりといくつかポイントもありますが、久留里駅には木更津駅からほぼ50分で到着しました。
久留里駅構内で写真を撮っていると、駅員の方に「渡り通路の上なら入って写真を撮ってもいいよ」と言っていただき、気動車を間近で撮影することができました。お心遣いがうれしかったですね。
駅の外に出ると、なかなか趣のある駅舎です。旅行会前の下見の時は寒くて大変だったのに、今日は日差しもあっていい日よりです。駅前のE130の看板の前でも撮影している人がいました。
久留里は湧き水のきれいなところで、水がおいしくて有名です。駅前にも水を汲む場所が用意してあり、ポリタンクを持った人が多く車で訪れていました。この水でコーヒーやお茶を入れるとまろやかでおいしいのだとか。
お昼になりましたので、駅前すぐにある、久留里観光交流センター前のベンチで昼食にします。
みんな食事が終わると、街散策です。今回は久留里の街で2箇所スポットを選んでクイズ形式にしてみました。3班それぞれ地図を片手に街歩きです。
思った以上に子どもたちが乗ってくれて、企画した側は一安心。あっちだのこっちだのとワイワイしながら歩きます。カエルの置物に乗っている子ガエルの数などを確認しながら、3班とも無事ゴール。もうちょっと難しくしてもよかったかな~。
駅に戻ると、上総亀山行に乗車の時間が近づいていました。駅のスタンプをお借りして押したりしていると、汽車が入ってきました。
今度は2両編成です。実はこの列車が悩ましく、朝の上総亀山行の後は、この13時50分発まで列車がないのです。木更津~久留里間はほぼ1時間間隔で列車があるのに!
その待望の列車で終点の上総亀山を目指します。久留里までの平坦な景色からは様子が変わり、山間の区間を川を見ながら登っていきます。途中二つのトンネルを抜けると終点上総亀山です。
これで、久留里線全線32.2キロを完乗となりました。上総亀山駅付近には観光名所はなく、少し離れたところに亀山湖(人工湖)と亀山温泉があるのですが、今回はあまり観光のお客さんらしき人は見かけませんでした。
帰りは、さすがに子どもたちも疲れていて、やや口数も少なくなります。木更津で乗り換えれば、帰りは乗り換えなしで横浜まで戻れるのは、内房線から横須賀線に直通運転しているメリットでしょう。帰りの電車は長かったですが、みんな無事に帰着しました。
今回の旅行会は、保護者の方に多く付き添っていただき、本当に助かりました。保護者の方の中には、「この旅行に行かないと一一生久留里線には乗らないと思うので!」と参加いただいた方もいらっしゃいました。鉄道子ども会としての今年度最後の旅行会になりましたが、4月以降もいろいろなところに行ってみたいと考えています。